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ドミノ サーバー
拡張ディレクトリカタログ

R5.0.5 では、Dircat タスク (Directory Cataloger) を使って、PUBNAMES.NTF テンプレート(ドミノディレクトリの作成にも使用されるテンプレート)から作成した1つのデータベース内に、複数の2次ドミノディレクトリのエントリを集めることができます。この種類のディレクトリカタログは、拡張ディレクトリカタログと呼ばれます。ドミノディレクトリの利点と、標準のディレクトリカタログの利点とを組み合わせたものが拡張ディレクトリカタログです。ドミノディレクトリの索引付けされたビューのフルセットとその他のドミノディレクトリの機能を保持する一方で、複数のドミノディレクトリから集められたエントリを1つのディレクトリデータベース内に集約します。
ドミノディレクトリを基にしたハイブリッドな設計によって、より高い柔軟性と、サーバーが常に仮想的にビューを使用することですばやく名前を検索できるためにより速い応答時間でのエントリ検索を実現できます。DIRCAT50.NTF テンプレートから作成する標準のサーバーのディレクトリカタログでの名前検索と比べた場合、名前の形式が [ソート方法] フィールドの設定と対応していない場合には、サーバーは全文検索(ビューでの検索よりも時間がかかる処理)をする必要があります。
拡張ディレクトリカタログには、標準のドミノディレクトリに含まれるビューが含まれていて、複数のディレクトリを組み合わせて1つのデータベースにするため、そのサイズは大変大きくなります。このため、拡張ディレクトリカタログはノーツ クライアント上に複製を取らないで、最低限必要なサーバー上にのみレプリカを作成して使用してください。
ディレクトリアシスタントを使って、サーバーは拡張ディレクトリカタログのロケーションを決定します。1つのディレクトリアシスタント文書を使うため、拡張ディレクトリカタログにエントリが集約されるすべてのディレクトリに1つの命名規則が適用されます。このため、Web ユーザーの認証でいくつかの2次ディレクトリを信頼したいが、その他のディレクトリは信頼したくない場合には、信頼されたディレクトリを集約する拡張ディレクトリカタログを1つ作成して、これとは別に、信頼しないディレクトリを集約する拡張ディレクトリを作成する必要があります。次に、各ディレクトリカタログに対してそれぞれディレクトリアシスタント文書を作成し、信頼されたディレクトリ用の拡張ディレクトリカタログ用の文書の [証明書を信用] を有効にします。
どのような時に拡張ディレクトリカタログを使うか
特に、大規模なメッセージやユーザートラフィックを扱うサーバー上の標準のディレクトリカタログの代わりに、拡張ディレクトリカタログを使用することをお勧めします。このようなケースでは、拡張ディレクトリカタログを使用することによって、ルーターのパフォーマンスが改善されることを想定しています。なお詳細については、[トラブルシュテーィング] のセクションにある「ルーターのパフォーマンス改善のために拡張ディレクトリカタログを使用」というトピックを参照してください。
また、拡張ディレクトリカタログを、ユーザーに対する2次ドミノディレクトリのバージョン管理の手段として使用することもできます。
[含める追加のフィールド:] と [選択式:] の設定を使って、発行されたディレクトリの内容を管理します。このような目的で拡張ディレクトリカタログを使用する場合は、どのユーザーがドミノディレクトリに直接アクセスするかを厳重に管理することで、ソースのドミノディレクトリのセキュリティをより高く保つことができます。
注意 1次ドミノディレクトリ (NAMES.NSF) を拡張ディレクトリカタログに変換しないでください。
拡張ディレクトリカタログの設定方法
1. 現在、標準のディレクトリカタログを使用している場合は、サーバー文書の [基本] タブにある [このサーバーのディレクトリカタログデータベース名:] フィールドからファイル名を削除して、ディレクトリカタログを無効にします。また、サーバー文書ではなくドミノディレクトリのプロフィール文書に指定している場合は、ディレクトリカタログのファイル名を [ドメインのディレクトリカタログデータベース名:] フィールドから削除します。
2. Dircat タスクを実行するサーバー上で、メニューから [ファイル] - [データベース] - [作成] を選択して、PUBNAMES.NTF テンプレートから拡張ディレクトリカタログを作成します。データベースには一意のファイル名とタイトルを指定します。NAMES.NSF というファイル名は指定しないでください。
メモ 全文索引を作成する必要はありません。.
3. 手順2で作成したデータベースの ACL で、[-Default-] のエントリに [読者] の権限を設定します。
4. 手順2で作成したデータベースを開き、メニューから [作成] - [集約の設定] を選択します。設定文書の内容を入力して、[保存して閉じる] をクリックします。この文書には、標準のサーバーのディレクトリカタログで使用される設定文書とほぼ同様の設定内容が含まれています。ただし、拡張ディレクトリカタログにサーバー文書を含めたい場合は、[サーバーを含める] オプションを選択します。また、[ソート方法] オプションは含まれていません。拡張ディレクトリカタログはディレクトリのすべての索引付けされたビューを保持しているため、このオプションは不要となります。
[サーバー] - [ディレクトリの集約の設定] ビューには、保存された設定文書が表示されます。
拡張ディレクトリカタログを設定する際には、下記のポイントを考慮してください。
- 1次ドミノディレクトリを拡張ディレクトリカタログ内に集約させないでください。
- [追加で取り込むフィールド名:] フィールドが空の場合は、Dircat タスクはソースのディレクトリ文書からすべてのフィールドを集めます。
- Web ユーザー認証に拡張ディレクトリカタログを使用する場合は、[含める追加のフィールド:] フィールドを使って追加のフィールド内容を集める必要があります。Web ユーザーの認証に名前とパスワードを使用する場合は、設定に HTTPPassword] フィールドを追加します。X.509 クライアント証明書を Web ユーザーの認証に使用する場合は、[UserCertificate] フィールドを追加します。
ディレクトリカタログの設定に関する詳細については、『R5 システム管理ヘルプ』を参照してください。
5. 拡張ディレクトリカタログを構築するには、作成したデータベースに対して Dircat タスクを実行します。拡張ディレクトリカタログのより大きなサイズを仮定すると、Dircat タスクを拡張ディレクトリに対して実行する時間は、標準のディレクトリカタログでの実行時間よりもより長くかかります。[重複ユーザーの削除:] オプションを [いいえ] にすることで、Dircat タスクのパフォーマンスを改善することもできます。[いいえ] を選択すると、同じ名前のエントリはすべてディレクトリカタログに含まれ、ユーザーは重複する名前からいずれかを選択するようになります。[いいえ] を選択すると、重複する名前のエントリの削除を確実にするために使用される特定のビューの構築を回避します。
6. ディレクトリアシスタントを使用する場合、ディレクトリアシスタントデータベースを開き、拡張ディレクトリカタログに含めたすべてのディレクトリ用のディレクトリアシスタント文書を削除します。
現在ディレクトリアシスタントデータベースを使用していない場合は、DA50.NTF テンプレートからディレクトリアシスタントデータベースを作成します。このデータベースをサーバーに複製し、サーバー文書の [基本] タブにある [ディレクトリアシスタントデータベース名:] フィールドに、ディレクトリアシスタントのファイル名を追加します。
7. ディレクトリアシスタントデータベースで、拡張ディレクトリカタログ用にディレクトリアシスタント文書を作成します。[作成] ボタンを選択してディレクトリアシスタント文書を作成し、設定用フィールドに内容を入力し、[保存して閉じる] をクリックします。次のポイントを考慮してください。
- [ドメインタイプ] で、「ノーツ」を選択します。LDAP ではない点に注意してください。
- [ドメイン名] に、一意のドメイン名を指定します。1次ドメイン名を指定しないでください。
- Web ユーザー認証用にディレクトリカタログを信頼したい場合は、[証明書を信用] に相当する規則を含めてください。
- [レプリカ] タブで、拡張ディレクトリカタログのレプリカを指定します。大規模なドメインの場合は、パフォーマンスとフェイルオーバーの理由から、1つ以上のレプリカがあることが重要です。
ディレクトリカタログの設定に関する詳細については、『R5 システム管理ヘルプ』を参照してください。
8. 更新されたディレクトリカタログを、ディレクトリカタログを使用するドメインのサーバーに複製します。次に、サーバーを再起動して、新しいディレクトリアシスタントン情報をロードする、またはこの動作をサーバーが自動的に行うまでの5分間を待ちます。
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