![]() |
PING TCP/IP ツールを使って、ネットワークの制限を確認できます。必ずしもすべての PING のバリエーションが同じ機能を提供するわけではないことに注意してください。PING ユーテリティは可変長のテスト用パケットを作成できなければならず、パケットがルーターや直接つながっている端末システムによって分割されるのを防ぐために「Don't Fragment」フラグを設定できなければなりません。Windows 95/98/NT 版の PING にはその機能があります。下の表を使って、テスト用パケットの測定値を判断してください。ここでは、テスト用パケットの送信に成功する度に通知を返してから、1 バイトづつ追加していき、パケットの分割が必要になった場合はエラーを示すように設定してあります。このブレークポイントが経路でサポートされる最大サイズです。場合によっては、大きなテスト用パケットを使うと、1 つまたは 2 つのエラーが返されることがあります。パケットのサイズ変更上の問題ではないのでここでは取り上げませんが、ネットワークの状態に問題があることを示しているので、ネットワーク管理者と一緒に調査してください。
TCP/IP スタックやネットワーク機器によっては、MTU サイズを手動で設定しなければならないことがあります。ほとんどの TCP/IP スタックが最大セグメントサイズ (MSS) を使ってローカルセグメント (ルートセグメント) の TCP データサイズを学習し、次にそれを IP パケットサイズに変換します。TCP/IP MSS が見つからないときは、デフォルトで 576 が使われます。最新の TCP/IP スタックでは MTU パス発見メソッドを使って、経路全体の制限を学習します。場合によっては、このメカニズムが必要な制限値を提供するのに失敗したり、トポロジ機能を効率的に使うのを妨げることがあります。TCP/IP スタックの中には手動での設定が必要なものや、LAN ネットワーク (Ethernet、トークンリング、または FDDI) には推奨できない値である、デフォルトの最小値 (576) に設定されているためにローカルセグメントトポロジに対するチューニングが必要なものがあります。スタックの設定が必要か、使用中の LAN トポロジに対して正しいサイズになっているか、より小さな値に設定されている WAN リンクがないかどうかを確認してください。MTU を手動でロックする必要がある場合は、次のガイドラインを使って必要なサイズを設定してください。
トポロジ/フレームタイプ | フレームサイズ | IP パケット/ MTU サイズ | Ping テスト用パケットサイズ | コメント |
ARPA または SLIP | 1024 | 1006 | 978 | ARPA フレームをサポートする古いルーターでまだ使われているが、めったにない。 |
Ethernet/DIX または PPP | 1518 | 1500 | 1472 | Ethernet ネットワークに適切なサイズ |
Ethernet/802.2 SNAP | 1518 | 1492 | 1464 | Ethernet だけのネットワークではほとんど使われていない |
トークンリング/802.2 SNAP | 1522 | 1500 | 1472 | ブリッジかルーターを使って DIX で Ethernet と接続するか、TR と接続する TCP/IP 用に最適化済み |
トークンリング/802.2 SNAP | 1518 | 1492 | 1464 | ブリッジかルーターを使って SNAP で Ethernet と接続するか、TR と接続する TCP/IP 用に最適化済み (めったに使われない) |
トークンリング/802.2 SNAP | 2048 | 2022 | 1994 | 古い 4Mb アダプタと、そのアダプタを使用するネットワークで必要 |
Wide-Band/フレームリレー | N/A | 2048 | 2020 | ![]() |
トークンリング/802.2 SNAP | 4096 | 4070 | 4042 | パフォーマンス最適化済み |
トークンリング/802.2 SNAP | 4202 | 4176 | 4148 | NetWare 3.x/4.x サーバーでの TCP/IP 最適化済み |
トークンリング/802.2 SNAP | 4500 | 4474 | 4446 | ほとんどのルーターでのデフォルトサイズ |
FDDI/802.2 SNAP | 1542 | 1500 | 1472 | ブリッジかルーターを使って DIX で Ethernet と接続するか、FDDI と接続する TCP/IP 用に最適化済み |
FDDI/802.2 SNAP | 1526 | 1492 | 1464 | ブリッジかルーターを使って SNAP で Ethernet と接続するか、FDDI と接続する TCP/IP 用に最適化済み (めったに使われない) |
FDDI/802.2 SNAP | 4096 | 4054 | 4026 | パフォーマンス最適化済み |
FDDI/802.2 SNAP | 4104 | 4070 | 4042 | ブリッジかルーターを使って TR と接続するか、FDDI と接続する TCP/IP 用に最適化済み |
FDDI/802.2 SNAP | 4202 | 4160 | 4132 | NetWare 3.x/4.x サーバーでの TCP/IP 最適化済み |
FDDI/802.2 SNAP | 4440 | 4474 | 4446 | ブリッジかルーターを使って TR と接続するか、FDDI と接続する TCP/IP 用に最適化済み |
FDDI/802.2 SNAP | 4394 | 4352 | 4324 | RFC 1188 IETF 規格 |
FDDI/802.2 SNAP | 4500 | 4458 | 4430 | フル FDDI パケットを使う TCP/IP 最適化済み (推奨しない) |
注意 MTU や TCP のウィンドウサイズを必要に応じて変更する方法の詳細は、OS か TCP/IP スタックベンダーのマニュアルを参照してください。
上記の表の値は、次の式から算出されました。
フレーム/IP パケットのサイズ変更
DIX フレームサイズの Ethernet - MAC ヘッダ (18) = IP パケットサイズ
LLC フレームサイズの Ethernet - MAC ヘッダ (18) - LLC/SNAP ヘッダ (8) = IP パケットサイズ
トークンリングのフレームサイズ - MAC ヘッダ (18) - LLC/SNAP ヘッダ (8) = IP パケットサイズ
FDDI フレームサイズ - MAC ヘッダ {ANSI 標準} (34) - LLC/SNAP ヘッダ (8) = IP パケットサイズ
Ping テスト用データサイズ
IP パケット - IP ヘッダ (30) - UDP ( TCP) ヘッダ (12) = Ping テスト用パケットサイズ (TCP データサイズ)
注意 測定値の単位はすべてオクテットです。バイトという用語がよく用いられますが、技術的に同じではありません。
フラットなネットワーク内では、ノーツとドミノ サーバーのシステムの設定が LAN トポロジで可能な最大のフレーム/パケットサイズに設定されていることを確認してください。トークンリングまたは FDDI のどちらかにスイッチ、ブリッジ、ルーターで構成されたネットワークがある場合は、フレーム/パケットサイズを 4096 に変更することを推奨します。スイッチ、ブリッジ、ルーターのメモリバッファの適合性が向上します。混合トポロジネットワークでは、上記の表に記載された最適化の中からいずれかを選択して使うことが必要になる場合があります。その際のガイドラインを下に示します。
注意: WAN 接続では、2 枚目の NIC をドミノ サーバーシステムに追加する方法があります。この方法だと、ローカルユーザーやサーバーアクセスに影響を及ぼすことなく、WAN リンクの制約に対して TCP/IP スタックを最適化できます。
注意: ルーターがさかんにパケットを細分化する場合は、ルーターポートの MTU 設定を変更して、より小さなセグメントで一致するようにします (端末システムでより小さなパケットが使われることになります)。ドミノ サーバーで細分化が行なわれる場合は、システムに 2 枚目の NIC を追加します。この方法だと、ローカルユーザーやサーバーアクセスに影響を及ぼすことなく、経路の制約に対して TCP/IP スタックを最適化できます。
注意 低いフレームサイズに設定されたネットワークセグメントがある場合は、別の値が必要になることがあります。ネットワーク管理者と障害の可能性について相談して、ネットワークでサポートできる最大値を使ってください。
-------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------
Web に接続している場合は 、 ここをクリックするとこの文書についてのコメントをロータスに送信できます。